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カプチーノのターボ修理(3)  2007年05月03日(木)
こんにちは。

楽しみにしてくださっていたみなさんからこの数週間、たくさんの激励やお問い合わせをいただき、とても感謝しております
このところ中古車がバカ売れでほとんど「完売御礼」状態。売れたクルマの整備や仕上げ、車検や登録、同時にご依頼いただいた用品取り付け等々・・・毎日激しく作業をこなし、時間のかかる作業が後回しになっておりました。この連休の間にそれらの作業を片っ端から終わらせていこうとがんばっておりましたところ、どうにか昨日の時点であと2台というところまできました。うち、1台は連休明けに車検、登録をするので実質、この連休中に終わらせる作業はあと1台です。やっと出口が見えてきました。

さて、伸び伸びになっていたカプチーノのターボのレポートです。実は作業はとっくに終わってクルマもすでにお客さんが乗っている状態なのですが、上記のような理由により、更新できずにいました。前回のレポートでターボは「ナマモノ」という話しをしましたが、まさに新鮮なうちに取り付けを完了し、お客さんにお渡ししたのです。



中古のターボを取り付けた(定位置に置いた)状態です。ここに収めるのはそんなに大変ではありませんが、これから各部のボルトを締め付けて組み上げていくのが大変なのです。ターボが固定される前のこの状態の時にこの上に付くEXマニホールドを先に固定したり、オイルパイプのユニオンボルトも緩くねじ込んでおいてから各部を固定したりと順番を間違えると「またこっちを外して・・・」「コレを止めておいてこっちを先に締め付けて・・・」等何度もやり直しをクラいます。パズルのように各ボルト穴の位置関係をよぉ〜く見極めて取り付けていかなければなりません。



とくにこの画像の部分、ターボのインレット側のパイピングやホースの取り付けは強烈で、「こんな位置のボルトをどうやって回して止めるんだよ!!」というような場所にボルトを入れて固定しなければなりません。冷却水のホース等もギリギリの狭い空間をすり抜けて配管します。熟練した整備士であっても見ただけでイヤになる構造です。



真上から見ています。画像左側がフロントになります。真ん中の三角の部分はEXマニホールドとくっつきます。そのすぐ左にある新しいボルトとそこに来ているパイプはオイルパイプとユニオンボルトです。ここからターボにエンジンオイルが供給されます。供給される大元のパイプやボルトが汚れていては正常なオイル供給ができませんので、ターボの交換を行う際にはどんなにキレイに見えてもこの部品は必ず新品に交換します。



ターボの後ろ側を見てみましょう。画像下側がフロントになります。画像で見ると普通に奥(下)と手前(上)に2本づつボルトで止まっているだけに見えますが、ここも実は狭い空間で、ちょこっとづつしかボルトが回せず、しかもガスケットを挟んで固定するためけっこう面倒な場所です。本来、ここには遮熱板が被さるのでボルトが固定できたら隠れてしまいます。この後見えなくなります。



ということでターボの交換は無事終了。周りにどんどん補機類が付き、たちまちターボが隠れてしまいました。社外製ブローオフバルブも付いて、問題だったホースの接続場所も正しくなおして完成です。



入庫時には0.4〜5くらいしか加給圧が上がらなかったこのカプチーノ。作業後は0.7ちょっとまで上がるようになりました。リビルト品や新品を使えばもう少し数値も良く、走りも軽快になったことでしょう。ま、とりあえずはお客さんのご依頼の内容はすべてクリアしましたのでこれで良しとしましょう。当店では本来は中古のターボはおすすめしていませんのであしからず。

しばらく更新できませんでしたが、またボチボチと続けていきますので皆さん応援よろしくお願いします。カプチーノのターボ修理のレポートはこれで完結です。

ではまた。


   
カプチーノのターボ修理(2)  2007年04月18日(水)
こんばんは。

今日はカプチーノです。ターボの取り外し作業をご覧いただきます。お客さんが来たり車検があったりでなかなか作業ができないですが、ちょっとづつ行っております。



先日ご覧いただいたターボが付いている状態と比べていただくとゴッソリと空になっているのがよく解かります。よく「カプチーノはエンジン縦置きだから楽でしょ?」と簡単に言う同業者がいますが、私は「やったことあんのかよ!!そんな生易しいもんじゃねーよ!!」と必ず返します。実際にやってみれば解かりますが、むしろアルトワークスセルボモード等の方が上から前から見通しが利いて全然作業がしやすいです。ジムニーカプチーノ、エブリィはターボのすぐそばをフレームが通っていますのでとても手がはいらないのです。



下からは一切ターボに触れません。横はフレームとエンジン。つまり上からしか触れないのです。ですから画像のようにEXマニホールドも取り外さなくてはなりません。



取り外したターボ(右)とこれから取り付ける中古品(左)。本来、当店ではターボは中古品はおすすめしていません。今回はお客さんが自己責任で持ち込まれた中古品を取り付けることになりました。なぜ、中古品をおすすめしないかと申しますと・・・。

前回の説明にも書きましたが、ターボの構造は吸入空気の経路(IN側)と排気経路(EX側)それぞれにプロペラ状の羽があり、その両方が軸でつながれていて、排気ガスの圧力でプロペラを回転させ、強制的に吸入空気を取り入れるものです。そのプロペラの軸にはエンジンのクランクシャフトと同じようなメタルベアリングがあり、そのベアリングと軸の隙間に送り込まれるオイルの油膜で潤滑されて回転しています。その油膜はとても大切で、ちょっとでも油膜が切れてしまうとたちまち軸とベアリングの金属同士が擦れ合うことになります。中古品の場合、解体屋さんで長い間保管されていたりしたものが多く、数年間動いていたものがしばらく放置されていることになります。その間に当然、油膜は切れてしまい、軸とベアリングは直に接している状態となってしまいます。さらに常に高温に晒されるターボですから、そのオイルが漏れ出てこないようなシールがあるのですが、これも突然動かさなくなると硬化、収縮し、亀裂が発生したりします。保管している間にそれが起こる分にはまだ良いのです。取り付けの際に確認でき、不良品と断定できるのですから。しかし、中途半端な期間在庫されていたターボは丁度その劣化が進行中のものであり、取り付ける際にしっかりしている状態に見えても、完成してエンジンがかかればいきなり回転させられ、高温に晒されます。しばらく走行していくうちに前述のような状況が発生し、またターボの不具合が発生するということになります。これが中古品のターボの怖いところなんですね。新品やリビルト品なら、中身は新しい部品が組み込まれているのですから、多少時間が経っていても大丈夫です。

このようにターボはとてもデリケートな装置なのです。私はお客さんに説明する際、「ターボはナマモノ」と言います。動かさなくなってからそれなりに時間の経ったターボを再び動かすことは数日間常温保存してから食べる刺身のようなものなのです。食あたりにならなければラッキーという感じですね。

確かにターボは高額な部品です。リビルト品であっても高いのは事実です。が、せっかく交換するのですからあまりリスクは背負わないほうが良いでしょう。

ターボはナマモノです。新鮮なウチにお召し上がりください(笑)。



   
カプチーノのターボ修理(1)  2007年04月14日(土)
こんばんは。

このところ、いろいろ忙しく、なかなかSR−FOURの作業が進みません。そこで、同時進行しているカプチーノの作業も同時に公開していきます。

さて、今回のカプチーノのご依頼は、ターボの加給圧が上がらないという症状でした。聞けばブースト計の読みで0.4〜5程度までしか上がらないそうです。試運転してみると確かにそのくらいしかあがりません。どこかから圧が漏れているような気配がします。

エアクリーナーを外し、まずはターボが正常な状態であるかを確認します。



画像中央、タイミングベルトのカバーの横にターボがあらわになっています。



あらわになったターボをIN側から覗いた画像です。暗くて解かりづらいかもしれませんが、中央に丸い軸の先端があり、その周りにいくつもの羽があります。これがターボの心臓部、インペラです。ターボがダメになるということをよく聞くと思いますが、ようはここにガタが発生し、軸受け部が損傷を受けることでダメージが起こります。そのまま走行し続けるとガタはどんどん大きくなり、最後には周囲のハウジングを削りはじめ、ひっかかったところでロックしてしまい、ターボの機能が失われます。そのガタが出ている状態では軸と軸受け部との僅かな隙間からオイルが流れ出し、オイルが燃料と一緒に燃えてしまいます。さらにその隙間からは圧も漏れ出してしまいますので本来のパワーも出なくなります。

さて、今回のこのカプチーノのターボですが、やはり軸にガタがありました。この状態ではいつターボが壊れてもおかしくありません。早急に交換が必要です。



圧が上がらない理由は他にもありました。画像中央を横に走る太いパイプに寄り添うように細いパイプがあります。本来ここには純正ブローオフバルブからのバキュームホースが付くのですが、社外ブローオフバルブに交換されていたので、その際に外してそのままになってしまったのでしょう。ここから圧が逃げていました。

このように、ターボはとてもデリケートな機械なのです。しっかりとした知識と経験のある人間がイジらないとおかしなことになってしまいます。ターボ周辺のチューニングを行う際には必ず経験豊富な整備士に相談しましょう。壊してしまうととても高額な修理代金になります。

ではまた。


   

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