「美しいデザインには華がある。華のないデザインに美しさはない。」自動車でもプロダクトでもそれは同じ。
世界にはこれまで数多くのデザインの車が生み出されてきましたが、その中でも一際の輝きを放つ華のある車もまた数多く存在する。そんな車を新旧交えて取り上げていきたいと思う。

« トヨタ | Main | F1 »
「ご神体」を祈りながら…  2006年04月10日(月)
先ほどの更新でもお伝えした花見オフ。その中で何人かアテンザに縁のある人がおられたのと、個人的にも取り上げたい車だったので今回紹介。この車には4ドア・セダン、5ドア、ステーションワゴンの3車種があるが、とある理由もあるので4ドア・セダンをベースに紹介。

とある理由というのは上のグラフィック。
アテンザのデザインを語る上ではずすことが出来ない「ご神体」と呼ばれるモデル。このテーマ・モデルがアテンザのデザイン開発の上での礎となっている。
力強く、躍動感を感じさせるもので、このイメージを共有してデザイン開発が進められたという。
第1次デザイン案の時に2案のフルスケールモデルが作られたが、この「ご神体」のイメージが出きっていないということで振り出しに戻るということもあったらしい。それほどまでにこの「ご神体」はデザインのよりどころとなっている。


完成モデルのフロントエンドは見事なバランスで、重くなりすぎることもない。各パーツの形状も細やかで、繊細な面とラインを描く。これは、どれだけデザイナーが気を遣ったかという証明で、同じような五角形のグリルを持つ当時のホンダ車のラフなデザインを見てもそのことはわかる。

ところで、この車を見ていると強烈にユーノス500の遺伝子を感じることがある。ユーノス500とアテンザではデザインは似ても似つかないが、その底辺に流れるデザインのDNAには共通性を覚える。ユーノス500の目指した、”背骨の通った”デザイン。バランス。カタマリ感。ユーノス500の志の高いデザインは、マツダ社内で確実に継承されていたと言うことだろうか。


この車のエクステリアで唯一”?”なのはこのテールランプの造形。
フロントと共通させるという狙いはわかるが、クロームメッキの処理は下品でゴチャゴチャしすぎている。もう少しシンプルに整理されても良かったと思うが、マツダらしいといえばマツダらしい。


 
響き(ときめき)のデザイン…ユーノス500  2006年01月23日(月)

今回はお気に入りの車から「ユーノス500」を取り上げます。 
 


ユーノス500の初出は、1991年の東京モーターショー
当時はまだバブルの真っ只中にあり、マツダは国内シェア10%を目指したMI計画に基づいて販売5チャンネル化をスタートしていました。
1989年のロードスターの誕生によりユーノスブランドが立ち上がり、プレッソコスモとラインナップを増やしていきます。その後、スタイリッシュで高級というユーノスブランドにふさわしいセダンとしてユーノス500、800、そして日の目を見ることのなかった1000が企画され、そのトップバッターとして1992年2月にこのユーノス500がデビューします。

今までにない最高の一台を」という開発陣の志は高く、本物の高質感を求めた志の高いデザインとこだわりが随所に見られます。そのスタイリングはデザイン界のマエストロ、ジュジャーロをして「奇跡」と言わしめるほど。
日本ではグッドデザイン賞を受賞、そして、ヨーロッパではドイツを代表するマガジン「アウトモトール・ウント・シュポルト」の読者人気投票で輸入車部門ミドルクラスで第一位を獲得しています。

販売的にはバブル崩壊の影響もあり、初年度こそ良かったものの苦戦を強いられ、1996年のユーノスブランド消滅とともに日本の販売ラインからは姿を消すこととなります。これほどの車がわずか4年足らずで姿を消すのは残念でなりません。

一方でヨーロッパではその高い品質とスタイリングが認められ、国内を上回る販売実績を記録し、国内生産終了後もマツダのアイデンティティを誇示するセダンとしてクセドス6(輸出名)の名をラインナップに留めていました。

お膝元である当時の日本国内では受け入れられず、ヨーロッパでは賞賛を持って受け入れられるのは皮肉なものです。往々にしてよくあることですが、日本人はもっとものを見る目を育てなければなりません。
また、この時ヨーロッパの各メーカーはこの車のエッセンスを巧みに取り入れその後のモデルに活かしてきますが、日本では(マツダ自身も含め)売れない形というレッテルを貼っただけでした。


さて、そのエクステリアデザインは、一言で表すなら「オーガニックな形態」ということでしょうか。オーガニック形態を極めて意識的に果敢に取り入れています。

このことはこの車のデザインチームがトータルデザインでの秩序構築にあたって、自然界に美しさを求めたということです。自然界に存在するものには無駄がなく機能的で、なおかつ時代とか流行に流されない普遍的な美しさまでもを併せ持っており、上手く取り入れればこれほど魅力的なものはありません。もっとも、下手に扱えば逆に不自然な面や形状を生んでしまうおそれもあり、難しいテーマです。それを考えると、デザイナーもそうですが、何よりもモデラーの力量も素晴らしかったということでしょう。

余談になりますが、個人的に現在のユークリッド幾何学をベースとするデザイン、設計というのはやがて変わっていく必要があると思っています。発送の根源が人間が考え出した3次元空間にすぎないからです。
宇宙そのものは10〜11次元の世界といわれ、自然界の形態・法則もそれに従っているとすれば今後のデザインの方向はトポロジー空間論から入るべきではないかと思っています。そこには今までにはないデザインの世界が拡がっているように直感的ですが思っています。

話を戻しますが、この車のサイドの断面形状は先頃デビューしたエスティマ同様にS字型の断面形状を採用していますが、そのクオリティの高さは比べるのも失礼なほどその形状は完璧といっても良く、優れた面のハリとしなやかさを併せ持っています。また、このドアの断面形状のDNAは、一見しただけでは分かりませんが、ホイールにも取り入れられ全体の調和を高めています。

ユーノス500の優美なボディスタイルをより分かりやすく表現すために、「ハイレフコート」と呼ばれる高品質の塗装を施し美しいリフレクションを映し出しています。そしてそれは車の美しさだけではなく時の移ろいや季節の移り変わりを映し出し、ユーノス500の新たな魅力となります。

「たら」、「れば」話をしても仕方がないのですが、(よく言われることですが)この車のデビューがあと10年遅ければ商業的に成功できたかもしれません。しかし、この車がなかったとしたら自動車デザインのレベルがそこまで上がったかどうかもまたわからないことです。
ただ、はっきりしていることはこの車は間違いなく世界のカーデザイン史に残るものだということです。

最近では欧州のメーカーからもなかなか優れたデザインが出てきていません。世界的な不況が無難な方向へとデザインを誘導し、小さくまとまったデザインになりがちです。しかし、BMWに代表されるような冒険的なデザインの車が登場しつつあるのも事実です。近いうちに意欲的でチャレンジングなユーノス500のような志の高い車と出会えることを期待しています。



 

2008年10月
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
プロフィール


CrossCircle
月別アーカイブ
カテゴリアーカイブ
ネットワーク

リンク集
アクセスアップ・SEO対策・検索エンジン登録
http://blog.goo-net.com/crosscircle/index1_0.rdf

Goo-net Blog
GooWORLD Blog
GooBike Blog